記事は掲載日時点の内容です。2022年11月に理念を変更しています。

バリュエンスが実施している社内デュアルキャリア制度を活用すると、通常の業務と並行して、部門や課をまたいだ別の業務に取り組むことができます。この制度の目的は、バリュエンスで働く社員の選択肢の幅を広げ、バリュエンスが掲げる「らしく、生きる。」[※1] の世界を実現することです。
社内デュアルキャリア制度を活用した場合、例えば週3日は人事部で週2日は営業部で働くといったスタイルになります。

今回は、社内デュアルキャリア制度を活用している国内マーケティング推進部戦略企画課課長の井山雄太さんに、制度を活用した目的や今後の展望を聞きました。

※1:記事は掲載日時点の内容です。2022年11月1日より企業理念を刷新しました。
新パーパスは「Circular Design for the Earth and Us」、新ミッションは「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」を掲げています。

国内マーケティング推進部 戦略企画課 課長 井山 雄太

2020年5月、バリュエンスに中途入社。マーケティング戦略やキャンペーンの立案から分析、UIUX改善をリードしている

お客様のインサイトを知るために社内デュアルキャリア制度を活用

――国内マーケティング推進部ではどのような業務を担当されていますか?

2020年5月に入社し、国内マーケティング推進部でキャンペーンの企画、ブランド買取「なんぼや」のWebサイト(https://nanboya.com/)のUI/UXの改善などを担当しています。私がリードする戦略企画課では、ターゲットのお客様をどのように集客し、離脱なくバリューデザイナーの接客まで届けられるかというマーケティング活動の上流工程を担っています。背負うものや影響力の大きさを感じますが、施策が成功したときの達成感は格別です。

バリュエンスのマーケティング本部の役割や目的は明確で、ファーストプライオリティは「なんぼや」など買取サービスの集客を増やすこと。集客につながることであれば、そのプロセスは試行錯誤しながら自分たちで考えられます。その自由度の高さはバリュエンスのマーケティング本部ならではの魅力だと思います。

――社内デュアルキャリアを活用してバリューデザイナー(鑑定士)に手を挙げた理由を教えてください。

私の中で、マーケティング業務を行う上で①お客様を知る ②現場を知る ③現場の最前線で働く方たちを知る という3つのポイントが重要だと考えています。この3つを実際の体験から理解し、お客様が本当に求めているものを知るために、マーケティング業務の延長として社内デュアルキャリアで営業部へ希望を出しました。営業部は現場の最前線で働くバリューデザイナー(鑑定士)が所属する部署です。現在の業務割合としては、マーケティング業務が9割、店舗でバリューデザイナーとしての業務が1割です。

通常のBtoCサービスではモノを「売る」ことを目的としていますが、「なんぼや」はお客様からモノを「買う」ことを目的にしています。モノを「売る」と「買う」では、来店動機も一連の購買行動(ジャーニー)も違います。お客様からモノを買うサービスのジャーニーは本当に特殊だと感じています。バリュエンスが運営している「なんぼや」の店舗での接客を通して、お客様のインサイト(心の奥底にある、売却意欲の核心やツボ)を実際に知ることができると考え、思い切って社内デュアルキャリアに手を挙げました。

お客様を知らないまま、可視化されているデータだけに基づいてPDCAを回すと、振り幅が小さい改善や施策になってしまいがちです。お客様のインサイトを把握し、お客様を中心に考えることで、大きな改善や斬新な施策が展開できると考えています。
お客様のインサイトを把握するためにも、店舗の接客を自ら体験し、お客様と直に接することが、マーケターにとって必要な姿勢なのだと自分は考えています。

――お客様を知ることが重要なのですね。お客様のインサイトを知ることでどのようなメリットがありますか?

モノを売る背景には、「緊急時にお金が欲しい」「モノが要らなくなった」「買い換えたいから」などさまざまな事情があると思います。お客様一人ひとりにモノを売るストーリーがあり、私たちが想像している以上に複雑です。
特に4PのPriceで勝負してしまうと、価格での訴求となり、なかなか他社との差別化できなくなってしまいます。

    4Pとは
  • Product(プロダクト:製品)
  • Price(プライス:価格)
  • Place(プレイス:流通)
  • Promotion(プロモーション:販売促進)

Price以外で差別化するためにも、お客様の来店動機などのインサイトを適切に把握することが、新しい訴求点の発見につながるかもしれません

社内デュアルキャリアでの現場体験はPODの再確認につながる

――国内マーケティング推進部では社内デュアルキャリアは初めてですか。

はい、第一号です。
今後も部内で同じような想いの人が気兼ねなくチャレンジできるように(もちろん強制ではありません笑)、私が社内デュアルキャリアを意味があるものにしていく必要があると考えています。いかにデータを分析したり、定性調査などでヒアリングをかけたりしても、見えない部分がどうしてもあると思うのです。著名なマーケターほど現場に行っていますし、お客様を知るためにいろいろな体験をされています。私も泥臭くとことんオンラインとオフラインの分析を掛け合わせて質の高い仮説が描けるように努力していきたいです。

――マーケティングを10年以上も続けてこられていると思いますが、どんなところが魅力ですか?

「マーケティングとは売れる仕組みを作ることである」とよく説明されていますが、サービスが売上に貢献するように企画を立案して、その企画が思ったように成功したときの達成感は格別で、そこが魅力だと感じています。
私は「なんぼや」のリピート率が90%以上になるまで、マーケティングを探究していきたいです!「マーケティングは経営だ」とも言われますが、経営的な視点を持ってマーケティングをする人たちは視座が高く、思考の深さが自分とは比べ物になりません。潜って潜って酸欠になるぐらいに考えて、ようやく陸に上がってくるぐらいの思考の深さが自分にも必要だと思っています

――今後の目標を教えてください。

2021年は、ブランド買取専門店「なんぼや」および「BRAND CONCIER」のブランド品年間買取金額総合において日本一を取りました。[※2] 時計(ロレックス単体でも)、ジュエリー、アパレル・アクセサリーにおいても同様に日本一を獲得しています。[※3] 買取額総合含め5冠を達成しましたが、集客力をもっと上げて、お客様を増やし、全ジャンル買取金額一位を取り続け、もっともっと「なんぼや」を利用してくださるお客様を増やしていきたいです。

※1:個人からのブランド品年間買取金額(トータル)No.1(2021.10.19時点)[ESP総研調べ](調査期間:2021.8.30~2021.10.19)

※2:各ジャンルそれぞれ、個人からのブランド品年間買取金額×時計/ロレックス/ジュエリー/アパレル・アクセサリー No.1(2021.10.19時点)[ESP総研調べ](調査期間:2021.8.30~2021.10.19)

社内デュアルキャリアを通じ、実際に接客を行うことで、お客様が「なんぼや」のどこを気に入っていただいているのかを把握できると思います。「なんぼや」の他社にはない差別化ポイント(POD:Points-of-Difference)はバリューデザイナーだということもお客様のインタビューを通じて先日再確認できました。ですので、「なんぼや」=バリューデザイナーという本当の強みをお客様に伝え、新規顧客とリピーターを増やしていきたいと思います。


ありがとうございます。井山さんにとって社内デュアルキャリアは、マーケティング活動の延長にあったようです。社内デュアルキャリアを活用する目的も、さまざまなところがバリュエンスの魅力なのかもしれません。