※記事は掲載日時点の内容です。2022年11月に理念を変更しています。
                   新パーパスは「Circular Design for the Earth and Us」
      新ミッションは「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」を掲げています。

「自分一人ではなく関わる人たちと一緒に受賞したMVPです」と話すのは、「Valuence2022年度MVP」を受賞された福重瑛貴さん。もともとオーストラリアでプロサッカー選手として活動し、2021年6月にバリュエンスへ入社しました。

現在は、ファンクリエイト事業室にてHATTRICKオークションの運営、新規ビジネスの立ち上げを担当しています。今回は福重さんのこれまでのキャリアやMVPが受賞できた要因について詳しく伺いました。

福重瑛貴
2021年6月にバリュエンスへ入社。ファンクリエイト事業室にて、HATTRICKサービス全体の企画・運営などを担当している。

「プロサッカー選手になる夢」を叶えたものの‥‥。

――本日はよろしくお願いします。福重さんはもともとプロサッカー選手として活躍していらっしゃったと伺っています。

大学卒業後にオーストラリアでプロサッカー選手として活動していました。父親が元Jリーガーだったこともあり、サッカーを4歳ごろから始めて。小さい頃はただサッカーが楽しくて好きだからやっていたのですが、高校を卒業するタイミングから本気でプロを目指すようになりました。

大卒時点でJリーガーとして食べていけるほど、自分に実力がないことは理解していました。

だからといって諦める選択肢もなかったんです。

自分の実力と市場における立ち位置をよく理解できていたと思います。結果、日本ではなくオーストラリアのチームに所属することを決めました。

――ひとつの夢が叶ったわけですよね。プロサッカー選手として活動されてみて、どのように感じられましたか?

プロサッカー選手になることが幸せになれることだと思っていました。しかし、実際はそうではなかったのが現実です。

どんなプロサッカー選手になりたいのか、どんな成績を残したいのかといった、プロサッカー選手としての目標を見失っていました。今振り返ってみると、プロになった先のことを考えきれていなかったと感じてます。

大好きなサッカーをしていても、楽しくなくて、幸せではありませんでした。「このままでいいのかな、俺の人生」と思っていましたね。

一方で、オーストラリアという日本とは全然違う環境で生活していたことで、視野がとても広がった感覚があったのも事実です。オーストラリアで初めて見るもの、食べるもの、出会う人などたくさんのものに興味を抱くようになりました。

それまでサッカー一筋で生きてきましたが、別の道はいくらでもあると気付けたんです。それで方向転換してもいいんじゃないかなと。

――それが理由でプロサッカー選手を辞めた?

それと母親から影響を受けたこともひとつの理由です。渡豪する際に母親がサッカーチームの経営をすると言い出したんですよ。地元の滋賀県で、Jリーグ参入を目指すクラブチームを立ち上げようとしていました。母はそれまで専業主婦だったのですが、自分のやりたいという気持ちを大事に、挑戦することを決めました。とても楽しそうに働いている様子を聞いて、それに背中を押してもらえたのも理由の一つです。

バリュエンス代表である嵜本社長との出会いから、サラリーマンとしてのキャリアをスタート。

――1年でプロサッカー選手のキャリアに終止符を打って、帰国されたわけですよね。日本に帰ってきてからはどのように過ごされていましたか?

2020年1月に帰国し、転職活動を始めました。就職活動を一度もしてこなかったので、世の中にどのような仕事があるのかを知るために、転職エージェントや転職サイトを活用しました。

転職活動をする上で「とことん成長できる環境」「良い意味で先が見えず、ワクワクできる環境」「一緒に働く人たち」という3つの軸を定めて、マッチする企業を探していましたね。ただ転職エージェントや転職サイトでどれだけ探してみても、そんな企業は見つからなかったんです。

――3つの軸すべてを満たす企業が見つからなかったんですね。

「どうしようかな」と悩んでいたときに、母親からキャリアアドバイスの仕事をしている方を紹介してもらいました。その方に相談に乗ってもらったら「この人に会うといいよ」と言われてお会いしたのが、バリュエンスの代表取締役である嵜本社長だったんです。

10分、15分ぐらいだったと思うんですが、これまでのサッカーを軸として歩んできたキャリアについてや、セカンドキャリアに対する想いなどをお伝えしました。そして、嵜本社長から「スポーツ選手が持続可能なキャリアを歩むための支援をする会社を最近立ち上げたんだよね」という話をしてもらいました。

その日はそれで終わりましたが、後日「元アスリートのロールモデルとしても、よかったらこの会社で働いてみない?」とお声がけいただきました。視座の高い理念にワクワクしましたし、会社を立ち上げるフェーズから関わることができれば、自分次第でとことん成長できるのではないかと思い、迷いなく入社を決めました。

――担当されていた業務を教えてください。

ジョイントベンチャーで嵜本社長が代表で、副社長と執行役員が一人ずつ、あとは私の計4人のメンバーだったのですが、みなさん本業が別にあったんですよね。だから自分だけがオフィスにポツンといるような感じで、入社して最初の1週間くらいは「今日は何しようかな…」といったところからスタートしました(笑)

「Excelやパワポの使い方って?」「純利益や損益分岐って何?」みたいな状態で。日々わからないことだらけでしたが、全部メモして、全部調べて、理解するまで勉強するということを毎日繰り返していました。

自分がそんな状況ではあったものの、入社時から唯一形としてあったのが、スポーツチームやアスリート、アーティストから公式に依頼された希少なアイテムを出品しているHATTRICKオークションというサービスです。私が入社した時点では、パートナーはガンバ大阪、コンサドーレ札幌のみでした。

そこから私は、サッカー選手時代に築いたコネクションや父親のつながりなどを生かして、パートナーになってくださるスポーツチームやアスリートに営業を行い始めました。

――本当に0の状態からHATTRICKオークションのサービスを立ち上げていかれたわけですね。

HATTRICKオークションを世の中にどんどん広めていきたかったですし、より良いサービスにもしたかった。それが社会貢献になるはずだと信じていたので、右も左もわからない中で試行錯誤して、がむしゃらに働いていました。

1年半ぐらいそこで働いていたのですが、HATTRICKオークションをバリュエンスへ事業譲渡することが決まったので、そのタイミングで自分も一緒に転籍しました。

「会社や社会にどれだけ貢献できているか」数字に対する意識の変化

――ではバリュエンスへ入社されてからも業務内容は変わっていない?

大きくは変わっていないです。ただパートナーは60社(※22年12月時点では100社以上)ほどになっていましたし、バリュエンスの法務部や財務経理部、プロダクト管理部など他部署の方々と連携する必要が出てきて。「HATTRICKオークション」がどのような事業なのかをバリュエンスの方々に理解してもらうために、業務フローやキャッシュフローなどを可視化していきました。

バリュエンスの既存の仕組みの中に、HATTRICKオークションの事業も組み込まなければいけなかったので、あらゆる部分で調整する必要がありました。とても大変でしたが、それまできちんと整備してこなかった部分が改善され、効率的にサービスを運営できるようになったと思います。

――バリュエンスに転籍されてから、福重さんの中で大きく変化したものはありましたか?

数字に対する意識は変わりましたね。社会人経験が全くないところからスタートしたため、KGIやKPIといった目標もざっくりしたものしか決めていませんでした。

上場企業であるバリュエンスに来て、年間数百億円の売上がある事業を動かしている人たちと関わりを持つようになり、数字に対する意識の大切さを痛感して。そこから数値目標もより詳細に決めるようになりました。

――バリュエンスの他の事業に、負けたくなかったということ?

取り扱っている商品やサービスが全く違うので、単純に比較することはできません。それに数字がすべてではないと思います。ただ自分たちの事業が会社や社会にどれだけ貢献できているのかを測るひとつの指標にはなるので、自分は数字にコミットしていましたね。少なくともHATTRICKオークションの事業部内では一番の数字を出そうという意識で働いていました。

――昨年度の目標とそれに対しての成果はいかがでしたか?

バリュエンスは8月が決算期です。2021年の9月から2022年の8月まででHATTRICKオークション事業全体の売上達成率は約80%でした。個人成績は、売上達成率180%で事業部内の売上の約60%を占めることができました。パートナー数は約50社を担当し、オークションは年間250回以上企画させてもらい、最低でも2日に1回は開催していました。

関わる人全員で勝ち取った「最もらしく、生きていた人」に贈られるMVP

――MVPは「らしく、生きていた人」に贈られる賞……ご自身では受賞できた要因は何だったと思われますか?

一番楽しく働いていたからだと思っています。自分の中ではビジネスとサッカーは共通する部分が多いと考えていて。

例えばサッカーだったら、勝つために相手チームを研究して試合に臨みます。「相手のストロングポイントを攻略するためにはどうしたらいいんだろう」「そもそもストロングポイントをわざわざ攻略する必要あるのかな」「ウィークポイントを攻めたほうがいいんじゃないかな」といったことまで考えるんですね。

これはビジネスでも一緒で、HATTRICKオークションに参加してもらうために相手のニーズを探って、どのような企画で、どのような見せ方や伝え方をするといいのかという発想が大事になってきます。

つまり楽しくて、大好きでやっていたサッカーの経験が活かせるビジネスも、楽しすぎて、大好きなんですよね。

――サッカーで学んだことが今に活きているわけですね。

それにこうして楽しく働けているのは、これまでに出会った人やいま一緒に働いているバリュエンスの仲間、HATTRICKオークションを盛り上げてくれているパートナーの方々のおかげだと思っています。これまでに教えてもらったことが全て活きていますし、これまでに出会った人とのつながりから新しい企画が生まれることもあるからです。

あとバリュエンスに来てから、本当にたくさんの人と関わる機会に恵まれて、チームで動いている実感があって。その辺りもサッカーと一緒ですよね。ピッチに立つ11人だけではなく、チームやサポーターと一致団結して試合に臨んでいる感覚と似ているというか。仕事をしている感覚がなくて、楽しくて、ワクワクすることにただ挑戦しているだけなんですよ。

――なるほど。過去に出会った人、いま周りにいる人がいなければ、ここまで楽しんで働けていないと。

自分ひとりだけだったら、何も楽しめていないと思います。 事業が大きくなれば、それだけ関わる人も増えていくので、より楽しさが増していくはずです。だから数字にもコミットできますし、結果も出せているのかなと。

MVPを受賞できたことで、自分でも「自分はいまを楽しめているんだ」と再認識できました。

自分にとっての「らしく、生きる。」とは、まさに楽しむことに尽きると思ってます。

これからも関わる人たちをもっと増やしていき、らしく、楽しめるように頑張ります。