なんぼやで買取った商品や一般のお客様からご依頼いただいた時計の修理を行っているリペア事業部。今回はリペア事業部部長である佐藤さん、時計修理技師の永野さんのお二人にインタビューを実施しました。

お二人は、もともと別会社で時計修理技師として働かれていたそう。リユース企業であるバリュエンスへ転職された理由、時計修理会社にはないバリュエンスの魅力などを詳しく話していただきました。

佐藤和也
2015年2月にバリュエンスへ入社。リペア事業の立ち上げを行い、2022年9月リペア事業部部長に就任する。現在は、部署全体の数値管理や事業計画の立案などを担当。
永野智識
2021年6月にバリュエンスへ入社。リペア事業部にて、時計修理技師として働いている。

憧れの職業に就くも、扱える時計の幅の狭さに悶々とした思いを

――時計修理技師は、一般的には珍しい職業のように思います。佐藤さんはなぜ時計技師として働こうと思われたんですか?

佐藤:昔からアンティークの時計が好きで、大学生のとき、愛用していた時計のガラス部分が傷ついてしまったことがあって。近くの時計修理屋さんを探して、持っていったんです。お店に入ると、白衣を着て、目にはルーペを付けた職人さんが作業をしていました。

その時に時計修理技師という仕事があることを初めて知りましたし、職人さんがとてもかっこよくて。憧れを抱いて、自分もその道に進もうと決めました。

――それでアンティーク専門の時計屋さんに一度就職されたと。

佐藤:ずっとやりたかった仕事に就けて、はじめはとても楽しかったですね。ただ徐々にアンティークの時計だけじゃなくて、違う種類の時計も扱いたいなという欲が出てきたんです。

それで転職を考え始め、時計修理技師の求人を色々探していて、見つけたのがバリュエンスでした。リユース事業を展開している企業であれば、アンティーク時計だけではなく、現在販売されている商品も取り扱えるのではないかと思い入社しました。

リペア事業部を立ち上げ、時計修理以外の業務も行うように

――では入社されてからも、時計の修理をメインで行われていた?

佐藤:当時、時計修理を内製化しているリユース企業はほとんどなかったんです。要するに、バリュエンスはノウハウが全くない状態から時計修理事業を立ち上げようとしていたんです。このような状況でしたので、自分が入社したときには、時計修理に必要な部品や機材が全く揃っておらず、上司に必要となる部品や機材、必要となる理由などを説明し、一から揃えていきました。そのように入社して1年間は事業を行うための基盤を作ることに注力していました。

2年目からは、銀座の店舗で時計修理サービスを提供することになり、店舗に常駐して接客業務を行ったり、人材採用にも携わることができました。

その後サービスが全国へ広がり、オンライン上での修理受付の開始など、事業もチームも大きくなっていって。それに伴って、事業計画の立案やチームマネジメントまで幅広い経験を積むことができました。

――そのような流れで、現在のリペア事業部が出来上がっていったわけですね。

佐藤:現在は40名ほどのチームになっていて、時計の修理技師だけではなく、時計の研磨を行うポリッシュの職人やバッグ修理の職人も所属しています。またカスタマーサービス、プロモーション、あとは見積の作成、修理後の検品等を行い、サービス品質を管理するクオリティコントロールのチームなどもありますね。

職人が業務に集中できるように、基本的には分業制です。立ち上げたばかりのときは、事業とは言い難いような部分もあったのですが、かなり体制は整ってきたかなと実感しています。

職人として腕を磨いていける、基盤が整っているバリュエンスならではの魅力

――永野さんは時計修理技師として働かれていますよね。バリュエンスで働く魅力はどのような点だと思われていますか?

永野:佐藤さんをはじめ先輩方がしっかりと基盤を作ってくださったおかげで、修理業務だけに集中して働ける点に魅力を感じています。あとは、福利厚生がしっかりしている点もありがたいです。残業もそこまで多くないですし、休日もしっかり取れています。

佐藤:時計修理を行っているのは基本的に数人から数十人の規模の企業がほとんどで。それに職人肌の人が多いんですね。だから働く環境があまり整っていない場合もあります。人数不足により、職人であっても修理業務以外の雑務をしないといけなかったり、納期を守るために残業や休日出勤をしなければならなかったりします。

――なるほど。他社だとバリュエンスのように分業制で業務に取り組めることが少ないと。

佐藤:一方で、他社では取り扱う時計は担当者ごとに決められている場合が多い印象があります。そのため、特定のブランドや特定の年代の時計しか扱えません。バリュエンスの場合は、ブランドや年代に関わらずさまざまな時計の修理を行えるので、技術の幅を広げられ、働くモチベーションを維持しやすいのではないかなと。

永野:自分は時計修理技師として働きだして6年になりますが、全国から本当にさまざまな時計が届くので、飽きることがありません。まだまだ技術を高めていけそうだなと思っています。

佐藤:あとバリュエンスは比較的、投資にも積極的な会社です。現場の意見を拾い上げて、いち早く新しい設備を導入してくれていると思います。例えば、レーザー溶接機という機材があります。非常に高価な機材なので、資金力がない小さな企業だとなかなか導入するのは難しいんじゃないかなと。

永野:最新の機材を扱えると、その分クオリティの高い時計修理ができるので、それは職人にとってのやりがいのひとつですね。

職人の道だけではない、興味関心に合わせて、キャリアを変えていける

――腕を磨いていける環境が整っていると。佐藤さんのように、サービスの立ち上げやチームマネジメントを行う時計修理技師は珍しいんでしょうか?

佐藤:技術部長のようなポジションにつき、管理する側に回る方もいますが、比較的珍しいんじゃないかなと思います。時計修理技師として、何年、年十年とキャリアを積んでいく方が多いので。

永野:佐藤さんのようなキャリアを積まれている方がいるのは、職人にとってひとつの安心材料になるなと思っています。バリュエンスでは時計修理技師としてのスキルを高めていくこともできるし、他の道に進むこともできる。選択肢がたくさんあるので、自分の興味関心に合わせて、キャリアパスを変更できます。

――バリュエンスはチャレンジしやすい環境でもあるということ?

佐藤:立場に関係なくやりたいことを言えますし、お客様にとって価値を高められる提案であれば会社が後押ししてくれます。出る杭を打つみたいなことは一切ありません。

永野:時計修理以外のことにいま興味がない人でも、バリュエンスは会社自体がスピーディーに変化し続けているので、何かしら興味が湧くことが出てくるかもしれません。それは、時計修理以外のことも行っている会社だからこそのメリットだと思います。

――どんな方だとバリュエンスにマッチしそうでしょうか?

佐藤:まずは時計修理技師としての技術を高めていきたい人。今の会社で扱う時計の種類が限られていて、技術の幅を広げていきたいならバリュエンスにマッチすると思います。

あとは働いている会社の待遇面に何かしらの不満を抱きながら働いている人。すべての不満が解消できるとまでは言いませんが、バリュエンスは経営基盤もしっかりとしており、キャリアの選択肢もたくさんあるので、とても働きやすい会社です。

――今後の目標を教えてください。

永野:設備投資をたくさんしてもらえますし、さまざまなチャンスをたくさん与えてもらえる環境なので、それを活かしてより技術レベルを上げていければと考えています。いずれは時計修理以外の業務にもチャンレンジしたいですね。

佐藤:現在は時計、バッグの修理を主に行っていますが、それ以外の物の修理も取り扱っていきたいですね。バリュエンスでは「Circular Design for the Earth and Us」(”地球、そして私たちのために循環をデザインする”)というパーパスを掲げていて、リペア事業はそれを達成するための大きな柱のひとつなので、今後もよりチャレンジできる、働きがいのある環境にしていきたいと思います。