記事は掲載日時点の内容です。2022年11月に理念を変更しています。

バリュエンスでは、Mission「らしく、生きる。」」[※1] の行動指針として、5つのSpiritを掲げている。年に一度の全社行事“MIRAISOUKAI”で、5つのSpiritの体現度の高い方を表彰している。2021年にSpirit「個性を掛け算せよ。」で表彰されたのは、個性を掛け算して売上達成率を200%にしたALLU銀座店 店長(現 店舗販売課 課長代理)の沼田 成佑さん。そんな沼田さんにマネジメントについての考え方や売上達成率200%の要因を聞いた。

沼田 成佑 (Numata Seiyu) 
ALLU推進部 店舗販売課 課長代理
洋服が好きで神戸の芸大に進学しファッション科を専攻。大学生活の4年間で衣服制作からファッションビジネスまで幅広く知識を習得し、大手アパレル企業へ就職。エース店長として店舗運営や組織管理を行なっていた。2019年5月にバリュエンスに中途入社し、プロダクト管理課を経て、現在はリテール事業であるALLUで店舗販売課の課長代理を務めている。

30代目前で人生を変えたいと思いバリュエンスへ

-前職では7年間在職していて責任のある立場。ポジションや年収を考えずにバリュエンスへ転職した理由はありますか?

前職ではエース店長というポジションで。いつも店舗運営や組織管理を行なっていました。本当に忙しかったけど、充実していました。

しかし、30代を目前に「このままでいいのか」という気持ちが湧いていました。仕事に慣れていたこともあると思うのですが、仕事に対しての熱量をどこに向けるべきか、しっくりこない部分があって転職を考えました。今から考えると、忙しい中でマンネリ化をしていて、自分を見失っているところがあったんですよね。

そんな中、SOU(現 バリュエンス)の求人と出会いました。募集部署はプロダクト管理課のアパレルチーム、小売業とは全く違う業務です。面接でバリュエンスは何か漠然と楽しそうだなとワクワクした気持ちになった事を鮮明に覚えています。バリュエンスでこれからの人生を変えたいなと思い、ポジションや年収を全く考えずに入社しました。お金以外のやりがいという部分を重視した決断は問題なかったなと思います。

– ALLU銀座店の店長に着任して一度離れた小売業に戻った感じですか?

入社してからは、プロダクト管理課で、入荷するアパレル商材の商品状態のチェック、販路に合わせた適正価格の算出を主に行なっていました。業務を遂行していく中で、気付かされることがたくさんありました。今まで僕は服が好きだと思っていたのですが、実は人が好きだったんだとか、正直、もう小売はやりたくないという気持ちもあって転職したのに、人と接する小売をやりたくなったり…笑。結果として今は小売に戻って自社での買取商品を扱うユーズド・ヴィンテージショップを運営している。変わっていますよね(苦笑)

上司に少し手伝ってほしいという軽い感じでALLUにお誘い頂きまして、バリュエンスで小売に関わり始めました。前職で小売業を7年経験してきていたので、やっぱり小売業を行う上での最低限のルールや、人とモノとお金を扱う上でのマナー等、思い出す部分もたくさんありました。

当時のALLUはインバウンド客をメインターゲットに据えていましたので、コロナの影響を受け、売上を大きく落としていました。2020年9月から社内プレゼンを経て、ALLU銀座店店長に就任。上司とは必ず予算を達成する事を約束しました。正直自信もありました。

「お客様を満足させる」が結果的に売上に直結する

-ALLU銀座店の店長になってから、まずどんな取り組みをされましたか?

お客様を満足させることが結果的に売上にも直結すると考えています。つまり、店舗スタッフがお客様を一番に考えられる環境を整える事が最も優先度が高いミッションだと思い、アクションしていきました。そのため、スタッフ個々人に対して短期・中長期の目標を伝えるとともに、現場スタッフに直接「お客様を喜ばせてくれてありがとう」と伝えていきました。

売上や運営するということだけにフォーカスしていると、怒られない様に。ミスしない様に…。と、どこか下向きな、委縮した人材が生まれてしまいます。私はお客様を満足させることを優先にしたマネジメントをすることで店舗のスタッフのマインドと視座の高まりの変化を体感しました。

-200%達成の秘訣は何ですか?

正直な事を言うと、プロダクト管理課から異動してきたばかりの私はALLUへの理解が追いついていない部分が本当に多くあったと思います。その様な状況下で、本部スタッフ・現場スタッフ誰一人として、変化を求め続ける私に対して嫌な顔をせずに関わってくれました。細かい店舗運営を知らない私を店長として迎え入れてくれたALLUという組織に対しては本当に感謝しています。200%達成は私の力で採れた数字だとは本当に思ってなくて、チーム全体で獲得した実績だと思っています。

私がやったことは、前職の経験を生かして
・店舗スタッフのマインドと働き方を変える(お客様に寄り添う)
・お客様の客層に合わせた定量分析を徹底する
というこの2点。

1点物の高単価商材を一般のお客様に対して直接販売するALLUは、定量結果からの予測だけでは判断できない事も多くあります。お客様と同じ空間を共にして初めて知る事。感じる事。理解できる事。そんな、定性的な感覚と定量分析とのバランスが何かを判断する上では重要だし、必要だと捉えています。小売業で最も重要視している定量的な分析は、当然、販売実績です。販売実績の理解を深めるために購入客数と客単価を把握します。さらに購入客数を理解するには、来店客数と購入率を知ることが必要です。

定量分析で大事な指標
『購入客数(来店数×購入率)×客単価=売上』

以上の事を組織に定着させる為に、店舗では毎週、PDCAサイクルにのっとった運営を実施してきました。しかし、当時のALLUは社内でも後発の部署。様々なリソースが不足している環境だからこそ、個人ではOODAループ[※2]の実践を意識していました。チームメンバーには、最低限小売業としてのルールやマナーを守ってもらう事を前提に、プライドとこだわりを持って楽しく働いてほしいなと思います。実際にお客様と直接関われるのは実店舗くらいですから。

人と関わり合う小売業だからこそ、人を大事にするマネジメントを意識

現在、マネジメント業務を行なっていると思いますが、大事なことは何ですか?

お客様にもですが、店舗スタッフにも寄り添う事かなと思います。僕は、時間の許す限りチームメンバーの話を聞きます。メンバーを大切にすることで、結果的に店舗のスタッフの長期的な目標は僕の目標にすり替わるということが多くあります。そうなると、最終的には組織に貢献できる人間になっているという良い状態が生まれます。目線を合わせて、足並みを揃えて、後ろから背中を押すようなイメージですね。

あとは、それぞれのメンバーがどんな目標や将来をイメージしているのかを意識させる事も大切にしています。中期的には5年後、短期的には少なくとも1〜2年後ぐらいの個人それぞれが目指す目標を洗い出します。そこから今の自分と乖離している所を目指す事でそれぞれが全速力で走る事が出来る人材に意識を変えられると感じています。抽象的で難しい話より、何事もなるべく具体的で自分事に捉える事が必要だと思っています。

「個性を掛け算せよ。」は意識していましたか?

「個性を掛け算せよ。」は仕事をする上で常に意識しているSpiritです。決して一人では店舗目標を達成する事はできません。店舗目標はチームでしか達成する事ができないんです。小売業は売上もそうですけど、人と人との関わり合いなので人へのマネジメントは大切だと思っています。

売上を伸ばす近道はお客様の満足度を上げることだし、お客様満足度を達成しなければいけないのは、自分一人ではなくチームメンバー全員だと思っています。その為に、私はお客様も部下も大切にします。それぞれの個性という素材を生かし、掛け合わせる事でより多くのお客様満足を見出せると信じています。

-沼田さんにとって「らしく、生きる。」」[※1]とはどんなことですか?

型にハマらず、地に足をつけて、志高く少し背伸びする感じ。

メンバーが私の事を「上司らしい。」ではなく、どこか抜けているというか。あくまでも等身大で身近な人。上司でなくても「沼田さんらしい。」と言われるような存在を目指しています。

※1:記事は掲載日時点の内容です。2022年11月1日より企業理念を刷新しました。
新パーパスは「Circular Design for the Earth and Us」、新ミッションは「大切なことにフォーカスして生きる人を増やす」を掲げています。

※2:OODAループ:観察(Observe)- 情勢への適応(Orient)- 意思決定(Decide)- 行動(Act)- ループ(Implicit Guidance & Control, Feedforward / Feedback Loop)によって、健全な意思決定を実現するというものであり、理論の名称は、これらの頭文字から命名されている。