バリュエンスでは、ブランド買取「なんぼや」、予約もできる買取専門店「BRAND CONCIER(ブランド コンシェル)」をはじめとして、様々なサービスや事業を展開しています。サービスをより多くの消費者に知ってもらい、店舗への来店を促進するための戦略立案と実施の役割を担っているのがマーケティング本部です。
今回は、そんなマーケティング本部が行っている業務や今後の取り組みについて、バリュエンスのマーケティングをリードしているマーケティング本部 国内マーケティング推進部 部長 佐々木 淳さんに話を聞きました。

マーケティング本部 国内マーケティング推進部 部長 佐々木 淳

佐々木 淳(Sasaki Jun)
BtoB企業のマーケティング部門でマネジメントを経験後、2019年5月にSOU(現:バリュエンスホールディングス)に入社。マーケティング本部 国内マーケティング推進部 部長として、戦略企画課、プロモーション課、クリエイティブ課を統括。

――佐々木さんは、バリュエンスへの転職でクライアントワークから事業会社に大きくチェンジされたそうですね。

僕はずっとクライアントワークだったので、事業会社側で働きたいと思っていました。当時のマーケティング本部 本部長(現:ブランド戦略本部 本部長)の方と話をして、意気投合し「この人と働きたい!」と思ったことが、入社のきっかけです。
前職はBtoB企業のマーケティング部門でマネジメントをしていました。業務に関しては私が教える立場だったので、スタッフの成長をサポートする面ではとても充実していましたが、自分自身の今後の成長や身を置きたい環境を考えたとき、物足りなさや刺激の無さを感じていました。この状態を打破するために次のステージを探していたタイミングで、当時のマーケティング本部 本部長と出会い、より優秀な上司や同僚のいる環境で、求めていた刺激や良い意味での焦りなどを感じながらモチベーション高く働けると感じました。

――BtoBからBtoCに転職して違いは感じましたか?

BtoCはエンドユーザーの反応がダイレクトにわかるという点が、BtoBのマーケティングと比べると圧倒的な違いだと思います。
BtoB企業のどんな有名なサイトでも、コンバージョン数で言えばBtoC企業のWebサイトとは比べものにならないほど少ない数ですし、Googleアナリティクスのリアルタイム検索で瞬間的なユーザーが1,000を超えることもなかなかないことだと思います。

BtoBもBtoCもエンドユーザーは個人だ、という考え方の基では、「BtoCもBtoBも一緒」という声もありますが、実際にはWebでのユーザーの動きの激しさはBtoCが圧倒します。さらに、サイトの週単位、日単位の動きもBtoCとBtoBでは違います。

――マーケティング推進部の業務内容を教えてください。

マーケティング本部 国内マーケティング推進部では、主にバリュエンスジャパン全体のマーケティング戦略策定と戦術立案を実行しています。具体的に言うと、ブランド買取「なんぼや」、骨董品買取「古美術八光堂」などの自社の事業活動におけるマーケティング領域のサポートをしています。
マーケティング本部は、国内のマーケティングは国内マーケティング推進部、海外事業のマーケティングは海外マーケティング推進室という構成になっています。

――マーケティング推進部の構成を教えていただけますか?

マーケティング推進部の中には、戦略企画課、プロモーション課、クリエイティブ課の3チームがあり、総勢で21名の部門です。
前身はデジタルマーケティング部という部門で、プロモーション課とクリエイティブ課の2チームがありました。2020年に新しい体制となり、デジタルマーケティング部はマーケティング本部に変わり、その後、戦略企画課が新しく作られました。
戦略企画課ではマーケティング戦略立案と一部の戦術立案を行っていて、具体的には施策の前段階の分析や調査を行い、戦略をプランニングします。戦略企画課が全体の戦略・戦術プランニングを行い、プロモーション課がSEOの対策、Web広告の企画・運用、プロモーションなどの各ファンクションの施策実行改善、クリエイティブ課がUI/UXの改善やコーディングを行う、というような部門構成です。

――2020年にデジタルマーケティング部からマーケティング本部に変わり、バリュエンスのマーケティング活動は変化しましたか?

2020年以前は、一般消費者から買取した商品を法人に卸す事業モデルを中心に展開していたので、買取の来店者数を増やすための集客に注力したデジタルマーケティングを行っていました。

今では、ブランド買取「なんぼや」、予約もできる買取専門店「BRAND CONCIER(ブランドコンシェル)」、ヴィンテージ・ブランドショップ「ALLU(アリュー)」とそのオンラインストア、スポーツチーム公認オークション「HATTRICK(ハットトリック)」など様々な事業を展開しています。事業が拡大し、さらに複数の事業が展開されていくと、当然マーケティング部門も様々な事業に対して支援をしていくようになり、部門のあり方も変わっていきます。

2020年の1月からはデジタルマーケティングだけでなく、チラシなどのオフラインのプロモーション、TVCMなどを活用したマスマーケティングを戦略的に展開し、全社横断してマーケティング活動を実施していくようになりました。ここ数年でマーケティングの支援の領域は様変わりし、グループ全体のマーケティング支援を行う部門として役割も変わってきました。

――現在、マーケティング推進部でフォーカスしている取り組みはありますか?

営業を含めた各事業部が縦割りに活動してきたことを、ユーザー目線で統合する役割がマーケティング本部の役割だとすると、国内マーケティング推進部が行っているマーケティング戦略は「なんぼや」がどういう役割なのか、「なんぼや」はどういうポジションなのかを調査し、オフラインでの施策に力を入れていくことをしなればなりません。競合と比べて「なんぼや」の強みを突き詰め、差別化する訴求を打ち出していかないといけない

プロモーション課が行っている戦術の立案と実行は、明日の施策に絡むぐらいの短期的な施策が多く、「金の相場が上がったから金を強化しよう!」という感じで翌日にでもできるような施策もあります。しかし、短期的なサイクルに対して比重を重くすると、短期的な目線で考えやすくなってしまいます。マーケティングは中長期的な目線を持っていないといけないので、その本来の理想的な状態を維持できるように社内でも方向性を合わせていくのはこれからの課題でもあります。

――マーケティング領域でバリュエンスならではと感じるところはありますか?

バリュエンスは、買取事業では珍しく、当初よりSEOに強いサイト構造のWebサイトを持っていて、インターネット検索で上位に表示されていました。そのため、Webサイトからのコンバージョンを獲得することができ、継続的な来店数につながり、成長してきました。そのような歴史があり、会社全体でWebに対しての想いが強く、SEOをはじめとしたWebでの施策を重要視しています

内製というのが1つ特徴にあります。今ではパートナー企業と協力するシーンも増えてきたのですが、SNS運用からサイト制作、広告運用、インフラ構築、セキュリティー対策までを内製で行ってきた歴史があります。多くの事業会社のマーケティング部門ではターゲットやコミュニケーションを考えるような戦略策定がフューチャーされやすいのですが、バリュエンスでは戦術実行もフォーカスされ、人数が多い。これは珍しいと思います。

――事業会社で戦術実行まで内製化していることは特徴的なのですね!そんなバリュエンスのマーケティングで求められるスキルは何だと思いますか?

大きく3つあると考えています。
1つ目は「エンドユーザーのことを考え続けられること」。これはバリュエンスのマーケティングを行う上で、必須の資質であると考えています。バックオフィスでもあるマーケティング推進部では日々エンドユーザーとのコミュニケーションを考える中で、“最後に迷ったらエンドユーザーの立場に立って考えよう”と伝えています。エンドユーザーの視点、それは外してはいけない。

2つ目が「チャレンジをし続けること」マーケティング業務の特性上、少しでも気を抜くとルーティンワークに陥りやすい傾向があります。しかしバリュエンスのマーケティングは、エンドユーザーのためにこだわり続ける大切さを知っているので、こなし仕事に流れるリスクは少ないです。目の前にあるタスク業務でもより良くするために前向きにチャレンジし、エンドユーザーのためにこだわっていけるでしょう。

3つ目は「忍耐力があって明るいこと」マーケティング業務はコンバージョンをはじめ、数字に向き合う場面も多いので、気持ちが明るくて、忍耐力があることも重要な資質になると思います。

<マーケティングに求められるスキル>

  • エンドユーザーのことを考え続けられること
  • チャレンジをし続けること
  • 忍耐力があって明るいこと

――今後、マーケティング活動において具体的にやろうとしていることを言える範囲で教えてください。

マーケティング部門の価値や役割を他部署にもっと周知し、積極的に活用してもらうこと。これは一番難易度が高いかもしれません。マーケティング本部がバリュエンスホールディングスからバリュエンスジャパンに移管し、営業をはじめ事業部門との距離が近くなりました。これからももっとマーケティング活動を他部署に知っていただけるように取り組んでいきたいと思います。

以上、マーケティングの仕事と今後について語ってもらいました。