Sustainability
Resale Impact 2021.9-2022.8
基本方針
「リユース」は循環型社会における主要な取組の一つであり、当社の中核をなすリユース事業をグローバルに展開していくことが、持続可能な社会の実現につながると考えております。さらに、ESG課題に積極的に取り組むことで、すべてのステークホルダーが当社の企業理念である「らしく、生きる。」ことができる世界を実現し、ひいては当社グループの企業価値の最大化を目指していきます。
方針一覧
バリュエンスグループのESG活動に関する各種方針などをまとめております。
Environment環境
Governanceガバナンス
推進体制
バリュエンスグループは、ESG推進委員会を設置し、ESGに関する方針や活動計画の審議、決定などを行っています。
同事務局は、ESG推進担当役員が委員長、ESG推進担当役員が指名する者にて構成されています。
またESGストラテジックマネジメント室を設置し、委員会で決定された事項をグループ全社と連携して推進しております。審議した内容は定期的に取締役会に報告しております。


マテリアリティ特定のプロセス
下記のステップを通じてバリュエンスグループにおける18のESG課題を特定し、優先順位を整理しました。
STEP 1. 候補テーマの特定
バリュエンスグループのお客様、お取引先様、社員をはじめ、株主・投資家様、公的機関など社内外のステークホルダーからの期待や要請を分析した上で、GRIスタンダード、SASBスタンダード、その他ESG評価機関などの評価手法を踏まえ、ESG課題を整理しました。
STEP 2. 優先度の設定
整理した候補テーマについて、ステークホルダーにとっての重要性と、バリュエンスグループにとっての重要性を、各部門の責任者で構成されるプロジェクトチームで審議。18のESG課題を設定し、マテリアリティ・マトリクスにしました。
STEP 3. 承認
選定した18のESG課題とマテリアリティ・マトリクスはバリュエンスホールディングスの取締役会にて審議・承認されました。
マテリアリティ・マトリクス



価値創造スキーム
当社グループは、選定した18のESG課題を基に、E/S/Gそれぞれの項目について目指す姿を定めました。
・E:Planet 循環型経済の促進による持続可能な世界への貢献
・S:People 公平でインクルーシブな社会を推進
・G:Transparency より透明性が高く、安心・信頼される企業
グローバルな社会課題と向き合い、責任ある事業活動を推進することで、持続的な成長を目指してまいります。
よりサステナブルで責任ある事業活動を追求します。
Planet
循環型経済の促進による
持続可能な世界への貢献
- 取扱製品のフットプリント把握
- 廃棄物削減とリサイクルの促進
- 気候変動への取組の実施
People
公平でインクルーシブな
社会を推進
- 顧客満足度の向上
- 従業員エンゲージメントの向上
- ダイバーシティ&インクルージョン促進
- 人材開発の促進
- 責任ある調達の実施
- カルチャー&エデュケーション(文化、教養の促進)
- 未来の担い手の育成
Transparency
より透明性が高く、
安心・信頼される企業
- コーポレートガバナンスの強化
- データプライバシー&セキュリティの強化
- マネーロンダリング対策の実施
- 責任ある事業活動の促進


大切なことにフォーカスして生きる人を増やす
サステナビリティへの
コミットメント
持続可能な社会への貢献と当社の持続的な成長を目指し、E(Planet)、 S(People)、G(Transparency)について具体的な目標を設定しました。目標の達成に向け、サステナビリティへの取組を加速してまいります。
Planet
カーボン
ニュートラル
FY2030までに
バリュー チェーン全体で
カーボンニュートラルを目指す
※バリューチェーン全体での温室効果ガス排出量は、自社の直接・間接排出(Scope1、Scope2)に加え、その他の事業活動に関わる間接的な排出(Scope3)を対象とします
People
従業員
エンゲージメント
スコア
FY2025までに
従業員エンゲージメントスコアを
4.2に向上させる
※外部エンゲージメントサーベイ「会社満足度」「仕事満足度」「上司満足度」「職場満足度」における各スコア平均値(1~5段階評価)
※2022年8月期スコア:3.3
Transparency
取締役会
女性比率
FY2030までに
当社の取締役会構成員の女性比率
30%を達成する

Planet
バリュエンスグループは循環型経済への移行、気候変動の抑制、自然との共生を環境課題と認識し、環境基本方針を定めました。さらに、リユースによる環境フットプリントの削減貢献量を可視化した「Resale Impact」の開発や国内外イニシアチブへの加盟、2030年までのカーボンニュートラル実現に向けた活動など、脱炭素と環境負荷の低減に取り組んでまいります。
環境基本方針
Resale Impact
2022年度のResale Impact
※2021.9-2022.8の期間中にバリュエンスグループが再販したラグジュアリー商品等(時計、バッグ、ジュエリー、アパレル、小物)を対象としております
ラグジュアリー商品は、時代を超えて愛され続ける価値を提供する一方で、原材料の調達や過剰生産品の廃棄などに大きな課題を抱えており、産業全体によるサーキュラーエコノミーへの転換が図られています。
そのような中、バリュエンスグループはリユースのさらなる普及を目指し、自社のマテリアリティ(重要項目)の中でも最重要と位置付ける「取扱製品のフットプリント」に関し、LCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を活用し、環境フットプリント*の削減貢献量を算出しました。
削減貢献量の算出においては、当社が独自に開発した「Valuence Resale Impact Calculator(バリュエンス・リセール・インパクト・カリキュレーター)」を用いて、取扱製品の二酸化炭素排出量・水使用量・エネルギー使用量・PM2.5排出量の削減貢献量をResale Impactとして算出しております。
*フットプリント:個人や団体、企業などが生活・活動していく上で排出される温室効果ガスなどの環境インパクト
Resale Impactの考え方
一般的にLCAとは、ある製品・サービスのライフサイクル全体(資源採取~原料生産~製品生産~流通・消費~廃棄・リサイクル)又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法を示すものです。
また、気候変動を評価する主要な機関であるIPCC(気候変動に関する政府間パネル)によれば、地球の温暖化は疑う余地がなく、20世紀半ば以降の温暖化の主な原因は、私たち人間の活動による温室効果ガス(二酸化炭素等)の排出による可能性が極めて高いとされております*。
*Ar5 climate change 2014: Impacts, adaptation, and … – IPCC. (n.d.). from https://www.ipcc.ch/report/ar5/wg2/
当社事業におきましては、原材料の調達から廃棄までの工程で排出される二酸化炭素等の環境負荷に対し、再利用時の輸送と使用により生じる環境負荷分を差し引いた差分は、将来的な生産量の削減に寄与するものと捉え、これをResale Impactとして公表しております。

Resale Impactのサービス展開
ヴィンテージ・ブランドショップ「ALLU」の表参道店では、商品タグや店頭POPなどにResale Impactを表示しております。「地球環境にいいことができた」と感じていただいたり、「捨てずにリユースをしてみよう」とこれまでの行動を少し変えられるようなきっかけを生み出しています。

Resale Impactの判定基準について
- 当社が表示するResale Impactは実際の削減量ではなく、当社が再販する商品をお客様が購入することにより、同商品の非リユース品を購入する場合に発生すると想定される同種製品の製造流通過程が理論上、省略できることに着目し、その省略された製造流通過程で生じる環境負荷(Co2の排出・水の使用)を定量化した削減貢献量を示しております。また、当社による算定は、省略された製造流通過程における排出量を仮定するものであるため、表示は実際に得られる環境負荷の低減効果とは異なる可能性があります。
- 当社は商品の製造者ではないため、当社グループが再販した商品(時計、バッグ、ジュエリー(地金を含む)、アパレル、小物)を算定対象としております。
当社が表示するResale Impactは、各製品の製造過程における実際の環境負荷(Co2排出量、水使用量)の数値を当社において確認・検証したものではなく、LCAデータベースである「Gabi*」のデータを参照し、素材調達から廃棄・リサイクルまでのライフサイクル全体での環境負荷を独自に算定したものです。なお、当算定においては外部コンサルティング企業の監修を受けております。 - 試算条件の相違や工程の欠如等によりLCA結果に差分が生じる可能性がございます。
- 商品の算定数値は見直し等により、最新の算定数値と商品タグ等に記載している数値に差異が発生する場合がございます。
*GaBiとはSphera Solutions GmbH社が提供する製品のサステナビリティをライフサイクルアセスメントで評価するソフトウェアです。
ネットワークコラボレーション
気候変動や生物多様性といった喫緊の課題において、その解決には企業単体だけではなく産業界や自治体、団体等との連携・協力が不可欠と認識しております。そのため、わたしたちは国内外団体への加盟を通じて、サーキュラーエコノミーに関する先進的な知見の獲得や、加盟企業との連携を図り、国内外におけるサーキュラーエコノミーへの移行に貢献してまいります。

Ellen MacArthur Foundation
サーキュラーエコノミーを開発・推進する国際慈善団体「エレン・マッカーサー財団」

Japan Sustainable Fashion Alliance
サステナブルなファッション産業への移行を推進する国内団体
2030年カーボンニュートラルへ向けたアプローチ
バリュエンスグループでは、世界目標である2050年よりも早い2030年までのカーボンニュートラル実現を目指しています。その実現に向けて、まず2021年度(2020年9月~2021年8月)のスコープ1、2、3を算出しました。今後はこの数値結果をもとに、2030年までの脱炭素ロードマップを策定しグループ全体で取り組んでまいります。
FY21実績と排出量削減へのアプローチ

スコープ1:店舗・オフィス・倉庫で使用する空調や営業車による温室効果ガス排出量
スコープ2:店舗・オフィス・倉庫で使用する電力由来の温室効果ガス排出量
スコープ3:商品輸送・調達(買取商品や広告宣伝費等)等で発生する温室効果ガス排出量
SBTイニシアチブにコミットメントレターを提出
バリュエンスグループは、パリ協定に沿った科学的根拠に基づく温室効果ガスの削減目標を認定する「SBTイニシアチブ」に対しコミットメントレターを提出しました。今後は、地球の気温上昇を産業革命以前と比較し1.5℃に抑える目標を設定し、SBTの認定取得を目指してまいります。
SBT(科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標)イニシアチブ
TCFDへの賛同
バリュエンスグループは、金融安定理事会によって設置された「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)」への賛同及び「TCFDコンソーシアム」へ加盟しました。今後はTCFDの提言に基づいた気候変動のリスクと機会に関する「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の開示を進めてまいります。
TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)
TCFDコンソーシアム



People
バリュエンスグループは、ジェンダー、民族性、社会的背景、性的指向、年齢や障害などの多様性が受け入れられ、尊重される職場環境を目指しています。各種方針のもと、個性を大切にし社員一人ひとりが自分らしく働きがいを感じられる職場づくりに努めております。
人権方針
ダイバーシティポリシー
健康経営宣言
健康経営戦略マップ
パートナーシップ構築宣言
取組紹介
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デュアルキャリア制度(副業・社内複業)
自分らしさの探求や自分磨きといった、社員の「らしく、生きる。」に繋がるチャレンジをサポートすべく、業務形態の多様化を実施しております。
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健康経営優良法人2022に認定
当社は社員一人ひとりがより良く生きるベースとなる健康支援、健康づくりを積極的に推進しており、経済産業省の健康経営優良法人に認定されました。
Transparency
バリュエンスグループは、コーポレートガバナンスの充実、強化を重要課題の1つとして掲げており、各種方針のもと、経営の効率性、透明性を高め、迅速かつ公正な意思決定を確保し、持続的な企業価値向上を目指してまいります。
コーポレートガバナンス
コーポレートガバナンス基本方針
社外取締役の独立性判断基準
内部統制システムの基本方針
コンプライアンスポリシー
情報セキュリティポリシー
社会貢献活動
当社との関係の深いステークホルダーを支援するため、バリュエンスグループが実践しているアクションの一部をご紹介します。
取組紹介
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BLUE BATON
子どもたちと地球のために、
今すぐできること2018年5月5日、子どもの日にスタートした、すべての子どもが平等にチャンスを得られる社会を願う寄付プログラム。お客様の着なくなった服の売上全額を、「公益社団法人チャンス・フォー・チルドレン」へ寄付し、日本の子どもの貧困連鎖をくいとめる活動に貢献します。
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セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
への寄付
子どもたちの未来を支えるバリュエンスグループでは2014年より、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとのパートナーシップを継続し、世界中の子供たちの未来を支えるサポートを行っています。
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MAGO PROJECT
サステナブル・キャピタリズムの実現に向けてガーナに集まる電子廃棄物を使用した作品を制作する美術家の長坂氏と連携し、我々はグローバルパートナーとしてMAGOギャラリーを世界に展開しています。アート作品の販売を通じて、長坂氏の提唱するサステナブル・キャピタリズムの実現を目指します。